原さんの火傷からの身体の回復とともに映像が原將人化していくのがとても
面白かったです。原將人は永遠に原將人だ。
原さんの握ったカメラでないと捉えられないものがあって、それはどこか、チャーリーパーカー
にしかできない演奏のようなものなのでしょうね。
原さん家族が、災いを日々の力で乗り切っていく姿に、焼け跡から戻ってきた家族の過去が重なり、次第に京都という土地が舞台のせいか、1000年の間にあった無数の災いを乗り超えた人々の姿、時間まで重なってきました。そんな風に重層的であること、その映像がまさに原將人だと思いました。

映像が生まれた意味、捉えるべきことが、ゴロッとそこに置かれている。
美しく魅力的な石ころのような映画だと思いました。

クラウドファインディングを経て、ここからまた、どう膨らんでいくのか、早く完成した作品を見たいです。」

―犬童一心(映画監督)